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100年以上愛される万能時計──カルティエのサントスが傑作と称される所以(GQ JAPAN) - Yahoo!ニュース

ラグジュアリー・ウォッチの世界観を確立したカルティエのサントス。1904年に誕生したこの角型時計が、100年以上愛され続ける理由はどこにあるのか?時計ジャーナリストの広田雅将が考察する。

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20世紀初頭まで、腕時計とは女性の着けるアクセサリーと見なされていた。紳士たるもの、チョッキに収めた懐中時計で時間を確認すべし。この不文律は、世界恐慌後まで大きく変わることがなかったのである。

加えて懐中時計には社会的立場によるヒエラルキーがあった。蓋付きのハンターケースは、ひんぱんに時間を確認する必要のない貴族や大ブルジョワジー向け。いっぽう、蓋のない、つまり時間の見やすいオープンケースは、ブルジョワジーや一般的な労働者向けとされた。時代が進むにつれ、こういったヒエラルキーは薄まったが、懐中時計は、相変わらずその人の社会的属性を示すアイテムであり続けた。

こういったあり方に一石を投じたのが、1904年のカルティエ「サントス」である。実業家であり、著名なパイロットであったアルベルト・サントス=デュモンは、友人のルイ・カルティエに、飛行船を操縦しながら懐中時計を見ることは難しいと漏らした。そこでカルティエ3代目当主のルイは、伊達な飛行士のために、小ぶりで瀟洒な腕時計をつくり上げた。これがサントスの原型である。

サントスは、今でいうところのドレスウォッチとスポーツウォッチを合わせたような時計だった。ケースは薄く、インデックスや針は古典的なブレゲ風。しかし、ベルトを留めるラグはケースにがっちりと固定され、バックルも、腕から外れにくいデュプロワイヤントになった。ルイ・カルティエは、この時計がどう使われるかを、十分考えてデザインしたのだろう。

それ以前、時計とは社会的な属性を示すアイテムでもあった。対してカルティエの「サントス」は、社会的な属性ではなく、使われるシチュエーションを強調したのである。しかもこの時計は、スポーツシーンだけでなく、サントス=デュモンの好んだ細身のスーツにもよく映えた。社会的な属性を示すアイコンではなく、どんな状況でも使える時計。この、今の時計が目指す方向性を、サントスは100年以上前に実現していたのである。しかも、驚くべき完成度とともに、だ。

以降もサントスは、どんなオケージョンでも使える、一種の「万能時計」であり続けた。しかもその性能は、今や生半可なスポーツウォッチに勝るようになったのである。

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December 19, 2019 at 06:10AM
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