
その精妙な技巧に舌を巻いたり、造形に目を見張ったりすること請け合いである。過ぎゆく「時」を生み出す西洋とか日本とかでつくられた時計が約110点にわたり展示されている。
1階は、時代区分ごとに古代から現代に至るまでの展示品が紹介され、実物を目の当たりにしながら時計の歴史を学べる趣向が凝らされている。面白いのは、19世紀にフランスで製造された「床置塔時計(ゆかおきとうどけい)」であろう。約1・2メートルある柱の最頂部から上が3層構造になっていて、時計の文字盤がはめ込まれた真ん中の造形物の上に、香炉のような形をしたものが設えられ、四隅にはリングがぶら下がっている。
原沢知也学芸員が言うには、照明でできた背後の影が女性に見えるのだという。なるほど、イヤリングをしている女性がたたずんでいるようだ。リングの影がイヤリングと錯覚させているのである。
「おそらく当時のフランス貴族が窓側に置いて、差し込む光で部屋にできた影を楽しんでいたのではないか」と原沢学芸員。単なる時計なのではない。なんともおしゃれなたしなみではないか。
2階は和時計と西洋時計のコーナーに仕切られ、その間の廊下に8台の大型置き時計が並んでいる。これも同年代のフランス製だが、「グランドファーザー・クロック」という高さ2・4メートルの展示品は圧巻だ。栗の皮のような古色蒼然(こしょくそうぜん)たる色合いが目に染みるようで、振り子室を覆った胴の部分には、よく見ると天使の絵が描かれている。
たまたま時報の鐘が鳴る幸運に恵まれた。いくらか低音でそれほど響かないように思えた。2分たてばまた鳴る仕組みになっているといい、「聞き逃した人に親切な時計」(原沢学芸員)なのである。
からくり時計や人形時計、シャンデリアに文字盤のある時計など、大方の人はおそらく見たこともないだろう。「時計ワールド」に誘われてみよう。(松本浩史)
◇
◆松本市時計博物館 松本市中央1の21の15。電話は0263・36・0969。開館は午前9時~午後5時。休館日は月曜。観覧料は高校生以上310円、小・中学生150円。JR松本駅から徒歩約10分。長野自動車道松本インターチェンジ(IC)から車で約10分。
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December 25, 2019 at 05:01AM
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