通常国会が20日に召集される。安倍晋三首相が主催した「桜を見る会」に絡む問題、政権が旗を振るカジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐる事件、首相が抜擢(ばってき)した元閣僚の不祥事――。相次ぐ疑惑に首相や当事者らがどう説明責任を果たすかが問われる。解消されないままの疑問や論戦のポイントを整理した。
拡大する主催した「桜を見る会」であいさつする安倍晋三首相(中央)=2019年4月13日、東京都新宿区の新宿御苑(代表撮影)
桜を見る会
桜を見る会が注目を集めるきっかけになったのは昨年11月8日の参院予算委員会だった。共産党の田村智子氏が安倍晋三首相の後援会関係者が多数招待されていることなどを厳しく追及した。
首相は「各界において功績、功労のあった方々を各省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待をしている」と説明。「招待者については、内閣官房及び内閣府において最終的に取りまとめをしている」とし、「私は、主催者としてのあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめ等には関与していない」と強調した。
しかし、朝日新聞は昨年11月13日付朝刊で、桜を見る会を日程に含んだ観光ツアーを案内する文書が、首相の事務所名で、地元有権者に届いていたことを報道。同日午後には菅義偉官房長官が記者会見で内閣官房のとりまとめでは首相、副総理、官房長官、官房副長官に推薦依頼を行ったことを認め、会を見直し、来年度の開催も中止することも表明した。
首相は11月20日の参院本会議で「私自身も事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともあった」と一転して関与を認めた。招待者の選定には妻昭恵氏も関わっていたことも判明した。
さらにオーナー商法で行政指導を受けたジャパンライフの元会長が首相の推薦で招待されていたのではないかとの疑惑も浮上した。元会長に届いたとされる15年の招待状の区分番号は「60」。国立公文書館に残る05年の桜を見る会の政府資料では、首相推薦の招待者を「60」で区分していた。首相は元会長の招待について、「招待者については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて、回答を差し控えさせていただいている」と繰り返すのみで、説明しようとはしていない。(安倍龍太郎)
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