「桜を見る会」の昨年の招待客名簿について、政府は、紙の文書を昨年五月九日に廃棄したと説明している。この日は野党議員が関連資料の提供を求めたのと同日だった。名簿には電子データもあったが、菅義偉(すがよしひで)官房長官は、電子データは紙の廃棄と前後し五月七〜九日に削除したと説明。復元もできないという見解を示し続けている。
内閣府は昨年一月から、公文書の電子データをサーバーで一元管理し、個人のパソコンなどの端末にデータが残らない「シンクライアント」方式を採用した。
安倍晋三首相は昨年十二月の参院本会議で、こうした技術的な要因を挙げ「端末にデータは保存されていない。サーバーのデータ破棄後、予備データの保存期間を経た後は、復元は不可能であるとの報告を受けている」と述べた。
野党は、電子データを削除した証拠となる履歴(ログ)の開示を求めたが、首相は今年一月の衆院代表質問で「セキュリティー上の問題がある」と拒否した。
一方、内閣府は公文書の電子データについて、予備データを最大八週間保存するとも説明した。招待客名簿も、野党が資料提供を求めた昨年五月の段階では予備データからの復元が可能だったことになる。
だが、菅氏は昨年十二月の記者会見で、予備データは「一般職員が業務に使用できるものではないことから、組織共用性を欠き、行政文書に該当しない」と主張。名簿を復元しなかった内閣府の対応を正当化した。 (中根政人)
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February 24, 2020 at 06:00AM
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