【ソウル=恩地洋介】韓国貿易協会が19日に発表した北朝鮮の対中貿易動向によると、2019年の対中貿易赤字は23億7千万ドル（約2500億円）と過去最大になった。対外貿易の91.7%が中国向けで、経済的な依存を深めている。輸出入の内訳からは、国連の制裁対象とならない時計やカツラの加工による外貨稼ぎに注力している実態も浮き彫りとなった。
平壌の被服工場で働く北朝鮮の労働者=共同
19年の対中輸出額は前年比10.8%増の2億1600万ドル、輸入額は同16.8%増の25億8900万ドルだった。貿易赤字は同3億5千万ドル拡大した。制裁で石炭や繊維製品など主要産品の輸出が禁じられ、貿易赤字幅は年々広がっている。国連が制裁を強化する以前の16年（5億6千万ドル）と比べると、4倍を超える規模だ。
輸出で額が最も大きかったのは時計（4900万ドル）だった。輸入額の上位には時計部品が含まれており、中国から加工を請け負っているとみられる。輸出品目にはカツラや模型、靴、サッカーボールもある。制裁で海外から戻された労働者が下請け加工に従事している可能性がある。
輸入品は大豆油や米など食材や織物に加え、プラスチック床材などの建築資材が上位に入った。外貨稼ぎのため観光振興に注力する北朝鮮指導部は、東部・元山のリゾート施設や温泉などの観光地開発を各地で進めている。
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March 19, 2020 at 03:14PM
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北朝鮮、時計加工で外貨稼ぎ 対中貿易赤字が最大 - 日本経済新聞
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