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【若尾文子映画祭】邦画の黄金時代を見る(7月2日)(福島民報) - Yahoo!ニュース

 福島市のフォーラム福島で「若尾文子[あやこ]映画祭」が始まった。日本を代表する映画女優、若尾さんの代表作二十二本を十六日まで連日、日替わりで上映している。邦画の黄金時代を堪能できる画期的な企画と言える。  そもそも東京・有楽町の映画館で二月末に開幕し、四月初めまで計画された。しかし、新型コロナウイルス流行の影響で、首都圏以外の人は足を運ぶことさえできず、会期途中で打ち切られた。映画ファンの間でアンコール開催の声が強まり大阪、福島の二市で実現した。地方での開催も意義があり、フォーラム福島の発案力を評価したい。  若尾さんは昭和八(一九三三)年に生まれ、大映の看板女優として活躍した。昭和二十七年から四十六年までの二十年余の間に百五十七本もの映画に出演、ほとんどで主役を演じた。  良家のお嬢さまはもちろん、あでやかな芸妓[げいこ]さん、犯罪に手を染めてしまう魔性の女性まで幅広くこなせる演技力を持ち合わせた。美しさと甘えるような独特の低音もファンを引きつけた。

 一九五〇年代は「羅生門」「雨月物語」が外国の映画祭で入賞し、日本映画は最初の絶頂期を迎えた。六〇年代にかけ多くのスターを輩出し、三船敏郎さんや石原裕次郎さん、高倉健さん、女優では高峰秀子さん、吉永小百合さんらが国民を魅了した。  若尾さんは映画雑誌キネマ旬報の年間ベストテンで三度、主演女優賞を射止めている。溝口健二監督をはじめ小津安二郎さん、川島雄三さん、増村保造さんらの名匠がこぞって彼女を起用した。存命する俳優の映画祭が組まれること自体珍しく、人気と評価の高さを物語る。  福島で上映される作品は花街を描いた「祇園囃子[ぎおんばやし]」、コメディーの代表作「最高殊勲[しゅくん]夫人」、サスペンスの傑作「妻は告白する」、前衛的な作風で注目された「しとやかな獣[けだもの]」など申し分ない。  コロナ禍により、映画館の入場者は激減している。新作映画の公開もままならず、製作自体も経済情勢の悪化による資金難やスタッフの三密回避という壁にはばまれ、進んでいないという。映画業界は苦境のただ中にある。

 しかし、長い自粛生活の中で映画の素晴らしさを再認識した人は多いだろうし、過去の名作の価値も高まっていよう。映画館は十分な換気対策を講じ、客席の間隔も工夫している。非日常の空間でもある劇場に腰を据え、巨大なスクリーンで名作を見る楽しみは格別だ。(荒木 英幸)

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July 02, 2020 at 08:28AM
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