
本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です
ノーコードという言葉をご存知でしょうか。
言葉の通り、ノーコード(プログラミング不要)でアプリケーション開発のハードルを下げることを指します。今、このノーコードが様々な業界のビジネスや仕組みに影響を与えはじめています。私たちヤプリもまた、数多くの事例を手がけることでその効果を企業のみなさんと分かち合ってきた一社です。
見えてきた世界観は次のようなものです。
- 非エンジニアの能力を拡張し、想像力を高め、アイデアを実現させることができる
- 組織にスピードを与え、ユーザードリブンなプロジェクト推進を可能にする
本稿ではノーコードがもたらす変化、この先にある世界についてみなさんと共有できればと思っています。
広がるノーコードの世界
※動画は2015年当時のYappli
改めて、ヤプリで開発を担当している佐野将史と申します。創業からずっとアプリプラットフォーム「Yappli」の開発に携わってきました。7年近く経過した今、大手ブランド中心に導入社数は400社を超えて今も伸びています。
現状では「マーケティング支援」と我々が呼んでいるジャンルが顧客の大半を占めている状況です。背景としては、企業のモバイルマーケティング強化の文脈で自社アプリ利用が進んでおり、具体的にはアパレルや通販、商業施設、飲食などの業界(インダストリー)がアプリを通じて集客強化をしているケースが多いです。
ポイントカードやスタンプ、クーポン、ECがよく使われる機能で、オンラインのみならず、オフライン店舗への誘導などにも貢献し、利用企業の売上や集客に一定の効果が認められるようになりました。顧客の成長がそのまま私たちの成長につながっています。
一方、利用シーンにも広がりがあります。
例えば商品カタログや研修動画です。社内や取引先に配布するB2Bアプリで大手のメーカーさんに採用いただいてます。また、ユニークな例では青山学院大学さんが大学と学生間でのコミュニケーションを目的に利用されているケースもあります。
従来のオフライン(紙媒体など)や、ウェブで管理や共有していたものが、より接点の近いアプリに置き換わっているわけです。このようにインダストリーを問わない形で企業のモバイル投資が進んでおり、大きなチャンスが広がっているのがこの、ノーコードの市場になります。
ノーコードで社会はどう変わるのか?

では、本題です。ノーコードは世界をどう変えるのでしょうか。アプリが簡単に作れるだけ、今までのコストが圧縮できて利益が出るようになったーー。もちろん即時的な効果は前述した通りです。
しかし、私たちはもっと幅広い可能性があることに気がつきました。
例えばノーコードの世界観ではエンジニアや外注するベンダーのスキルは各社平等になります。各社(特に非情報産業系の企業)エンジニアリングのレベルは極めて平坦になります。一方、特色が出るのがデータです。価値のあるコンテンツやデータはそれぞれの企業の特色を表現し、よりこれら魅力的なデータをどうやって集めるか、という点が重要になってきます。
これまでは腕のよいエンジニアを雇い、より良い見せ方、より個性的な表現に高いコストを支払っていたわけですが、ノーコードの世界ではより企業のブランドの保有する資産(データ)という、本質的な競争環境が生まれると予想されます。
ではエンジニアは不要かというともちろんそんなことはありません。
ノーコードの世界では、量産可能なアプリを作る技術はどんどん不要とされていきます。反面、オリジナリティ(尖った・面白いもの)のあるエンジニアはより高い評価を受けることになります。言い換えれば、量産っぽいつまらない仕事が減り、クリエイティブな仕事ができるので優秀な人はどんどん活躍できるわけです。もちろんですが、エンジニアの知識があれば、ノーコードツールを活用する方法も、そして企業がどのようなデータを集めればより競争力が付くかも想像しやすくなります。
つまり、企業はより資産となるデータやコンテンツの独創性が競争力となり、かつ、エンジニアもより高い次元で企業と仕事ができるようになる。そんな世界観が今、実際にやってきていると考えています。
ノーコードの思想

当然ですが、まだまだ道は半ばです。
エンジニアの方であれば理解いただけると思うのですが、400以上の様々な活用をされるアプリが、同じ言語で作られていて、同じプラットフォーム上で動いていることは、非エンジニアが想像する100倍くらいとんでもないことです。ある特定のアプリに対して、誰でも運用できるCMS(管理画面)があるのとは訳が違います。だから当初から「Yappli」を「アプリのCMS」とは言いたくありませんでした。
本当にこの世界を創るには強い信念と思想が必要です。便利なものを作ればいい、儲かるものを用意すればよい、投資が集まる聞こえの良い美辞麗句を並べれば良い、ではすぐに挫折します。
例えば、アプリ開発だけでよければ、カスタマイズをした方がいろんなアプリを作れるし、販促アプリ開発ツール、社内共有アプリ開発ツール、など、使用用途によってCMSを分けた方が売りやすいかもしれません。
しかし、1つの課題に対して1つのピースで解決していては絶対に生まれないアイデアや発見があるはずです。この7年間でどんどん変わっていく世界はそれを教えてくれました。なので、ヤプリとして活用方法を提案することはあっても、使用用途を決めることはしません。余白を残していることは重要なのです。
そして何よりノーコードが果たす役割として大切なのが「人の成長」です。
実際にYappliを最大に活用しているデザイナーさんや、導入担当者と近いCS(カスタマーサクセス)の担当者さんの言葉にヒントがありました。
そこにどんな人でも運用可能な管理画面があり、MAのようなプッシュ通知を打つことができたり、誰がみてもわかるダッシュボードがあったり、CDPと連携しデータを活用したり。サイロ化された組織を横断し、いくつものツールを連携することで実現可能だったことが、プラットフォーム上で実現できるようになれば、担当者の能力の拡張につながるはずです。
短期間でPDCAが回せる環境があれば、そこでの発見や経験は確実に人の成長に寄与します。またさらにそれを横に展開することで、その成長は加速されるはずです。私たちも導入企業の担当者さんと一緒に、アプリの運用についてワークをするようなミートアップも開催してます。ノーコードを合言葉に、業界や職種を超えて、人と人との交流を促進させるきっかけになれば、よりよい世界が広がると信じています。
本稿はノーコードのアプリプラットフォーム「Yappli」を開発・提供する株式会社ヤプリCTO、佐野将史氏によるもの。Facebookアカウントはmasafumi.sano。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトください。
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August 11, 2020 at 07:00AM
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