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徒歩で攻略 駅旅ガイド - 読売新聞オンライン

 

1都9県のJR線の753駅を歩いて回った青梅市の河辺康彦さん(56)が、「となりの駅まで歩いて見ませんか? 駅旅のススメ その1」を出版した。「乗り鉄」ならぬ「徒歩鉄」として、駅間の街並みを精細な絵地図で描き、道すがら出会った「モノ」や「コト」も紹介。見知らぬ街を楽しめるガイド本に仕上げた。(鈴木章功)

 国鉄マンだった3人の伯父の影響も受けて、小学生の頃から熱烈な鉄道ファンだった河辺さんが、父の富夫さん(86)と「駅旅」を始めたのは2000年1月。家にこもりがちな父に、「東京駅まで歩いてみよう」と誘ったのが始まりだったという。

 初日は自宅そばの河辺駅を起点に、国立駅までの約18キロを5時間かけて歩いた。その日は電車で帰宅し、後日改めて電車で国立駅まで行き、そこから荻窪駅まで歩行。3回目で東京駅に到達し、当初の目標は達成した。

 車窓からは見られない景色や、徒歩だからこその発見もたくさん体験できた。河辺さんは「西国分寺駅近くは雑木林が広がり、池には野鳥が羽を休め、散歩の園児たちの声も心地良かった」と振り返る。

 駅旅にすっかりはまった2人はこれ以降、山手線や南武線、東海道線、常磐線など、関東を中心とした1都9県のJR駅を起点、終点にした旅を約8年続けた。駅旅時に身につけていた歩数計は、合計約500万歩、3233キロを示していた。

 内房線と外房線に沿って歩いたときは、咲き誇る花や海岸の景色が楽しめた。茨城県の水郡線の駅旅では、道を1本間違えて難儀したこともある。それでも、電車や自動車の旅とは違った妙味は、楽しかった思い出としていつまでも残っていた。

 50代で好きなことを仕事にしたいと考えていた河辺さんは、2018年にJA西東京を退職。駅旅の驚きや楽しさを伝える本の作成に本腰を入れた。

 現在の街並みは、父と駅旅を楽しんだ頃と変わっている。そこで、最初に歩いた河辺駅~東京駅を歩き直し、街の新しい写真を撮って、デッサンから学び直した絵地図に落とし込む作業を、納得いくまで繰り返した。

 3年がかりで出版にこぎつけた「駅旅のススメ その1」は、河辺駅~東京駅の道中を上下2巻にまとめた。公共施設のほか、コンビニなどを旅の目印に使った絵地図を中心に、各駅の歴史や沿線の名所解説、地形の特徴などを記した「攻略ガイド」を掲載。本を買った人が自分の経路を絵地図に記したり、旅先の出来事をメモ欄に書き残したりできるような工夫も凝らした。

 また、駅旅の心得をまとめた「楽しむための12か条」や、片方の手袋など何度も見かけた「道端オトシモノ図鑑」、イラストで鉄道標識や設備を解説するコーナーもちりばめた。河辺さんは「試行錯誤の末、手にした人が完成させるガイド本にすることができた。多くの人に駅旅を楽しんでほしい」と話している。

 B5判。上巻128ページ、下巻132ページで、各2600円(税別)。インターネット通販「アマゾン」で販売中。問い合わせは河辺さん(yasu.rm5m-r.s.branc-glacier@docomo.ne.jp)。

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