2022/7/5 11:46
自然や文化に触れる体験を通じて自分自身の変革や成長につなげる「アドベンチャーツーリズム」が、新たな旅の形として注目されている。県観光物産協会は、県内でも国際競争力のある蔵王温泉と出羽三山の資源を生かしてアドベンチャーツーリズムの商品を作り上げ、海外から冬の誘客につなげる新規事業に着手した。厳しくも豊かな自然、食、精神文化を生かし、本県ならではの旅を提案する。アドベンチャーツーリズムは、自然の中で歩く、カヤックを楽しむ、文化に触れるといった体験をするだけでなく、その土地の歴史・文化、成り立ちを学んだり、視野を広げたりすることで新たな気付きや成長を得る旅。特に欧米で人気が高く、国内では北海道が先進地という。同協会は、自分を見つめ直すことが本質にある点に着目し、「生まれ変わりの旅」で注目されている出羽三山を有する本県にふさわしいテーマだと事業を企画した。
本県へのインバウンド(訪日客)が伸びる冬を重点シーズンとし、メインターゲットは本県への外国人観光客で最も多い台湾をはじめ、東アジアに設定。雪・山・海や温泉・旅館、精神文化、山伏修行、食などを冬の体験・活動・遊びと組み合わせ、高付加価値で長期滞在型の旅行商品を作り上げる。地域の自然や歴史、文化を深く理解しているガイドの存在も鍵になり、雇用機会の創出も狙う。
観光庁の助成を受け、この冬までに商品開発、モニターツアーの実施、商品販売までこぎ着ける予定。7月から関係者を集め、ワークショップや企画会議を始めるという。
同協会は新型コロナウイルス感染拡大で旅行需要が一気に落ち込む中、アフターコロナを見据えて昨年から調査、準備を始めていた。同協会は「本県の強み、魅力を存分に生かせる分野だと思う。関連産業への波及効果も高い。県内観光消費額の向上や中長期的な雇用創出につなげていきたい」と話した。
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