旅行代金の最大40%を割り引く全国旅行支援はコロナ禍で打撃を受けた観光業を支援するため、今月11日に始まった。国が事業費を負担、都道府県が運用する仕組みで、岡山県に配分された予算総額は約57億円。県はこれまでの旅行商品の販売実績に応じて大手予約サイトと旅行代理店、県内の宿泊施設などに割り当て、12月20日まで続ける予定としていた。
県によると、開始直後から予約サイトにアクセスが集中してつながりにくくなるなど関心が高く、販売を停止する事業者が続出。26日時点で「楽天トラベル」や「じゃらんnet」、日本旅行、JTBといった9事業者が予約の受け付けを見合わせた。いずれも大手のため配分額が高く、県全体の予算枠の多くが既に使われたとみられる。
16日に販売を停止した日本旅行岡山支店(岡山市北区駅前町)は「来店者が目に見えて増え、応援割の反響の大きさを感じている。コロナ禍からの回復に向けてさらなる需要も十分に見込める」とし、追加の予算措置に期待する。
岡山県は予算の運用枠の変更などによって予約サイトや代理店に財源を融通し、11月の早い時期に予約を再開させたい考え。ただ、予算の総枠は決まっていることから、販売規模は限定的となりそうだ。
一方、県内の宿泊施設は大手サイトや代理店経由での利用が増加し、週末を中心に予約が取りにくくなっている一方、配分された予算には若干の余裕がある状況だという。
全国旅行支援を巡っては、各地で予算が底を突くケースが目立ち、約123億円を配分された広島県では宿泊施設の直販プランも完売が相次いでいる。
政府は物価高騰も踏まえた経済需要の喚起策として全国旅行支援を継続する方向で検討しており、岡山県観光課は「岡山では当面、宿泊施設への直接予約を呼びかけるとともに、国の動向を見ながら今後の対応を考えたい」とする。
おかやまハレ旅応援割 交通費込みの宿泊旅行は8千円、宿泊のみや日帰り旅行は5千円を上限に旅行代金の40%を割り引く。買い物などに使えるクーポン券は平日3千円分、休日千円分を発行し、岡山県の独自施策で保護者ら同伴の高校生以下は休日も3千円分に引き上げる。利用時には新型コロナワクチン3回接種の証明か陰性証明の提示を求める。
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