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「東海道御宿場印」旅して集めて 東京~京都の55カ所で完成 - 産経ニュース

東海道の起点、日本橋=東京都中央区

江戸時代に徳川家康が整備し、歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」や十返舎一九の「東海道中膝栗毛」で知られる東海道。その道中にある名所などを描き、宿場の名を記した「御宿場印」が4月、東京・日本橋から終点の京都・三条大橋までの計55カ所、すべての宿場を網羅して完成した。間もなく大型連休。御宿場印は新たな旅の記念になりそうだ。

この「東海道御宿場印プロジェクト」は、東京から京都まで各地にある信用金庫40社が連携し、観光客を呼び込み地域経済活性化につなげようと企画。地元の観光協会などに呼び掛けて準備を進めてきた。

東京・日本橋には東海道など主要道路の起点を示す「道路元標」が残る

東海道は起点の東京・日本橋から神奈川、静岡、愛知、三重、滋賀、終点の京都・三条大橋まで7都府県にまたがる、全長492キロの街道だ。

昨年10月に日本橋から三島宿(静岡県三島市)までの12カ所で始まり、半年以上かけて今月、土山宿(滋賀県甲賀市)から終点の京都・三条大橋までの印が完成。ようやく御宿場印が東海道を貫通した。

各地の名所描く

御宿場印はハガキ大の紙に刷られており、江戸時代の宿場町の風景や現代に残る名所旧跡などがあしらわれ、地域色がふんだんに盛り込まれている。神社仏閣でいただく御朱印のデザインも参考にした。

静岡県内の印は富士山を描いたものが目立つ中、掛川宿(同県掛川市)と浜松宿(浜松市)は、壮大な天守閣が再現された地域のシンボルの城郭を中心に構成。藤枝宿(同県藤枝市)はサッカーボールで蹴鞠(けまり)を楽しむ人々を、岡部宿(同)は現存する旅籠(はたご)だった建物を配するなど、印を通じて地元の魅力を伝える。

元和9(1623)年に開設され、今年400周年を迎えた川崎宿(川崎市)の御宿場印には「東海道川崎宿400年」のデザインが取り入れられた。

観光拠点で販売

街道巡りは歴史愛好家だけでなく、外国人観光客にも人気が高い。ただ宿場町同士が離れているため、東海道で一丸となった観光振興策はあまり講じられてこなかった。

今回の取り組みでは、印を集めるための「御宿場印帳」(1冊3000円)も用意。観光客が東海道に沿って宿場町を巡り、印を集める-という好循環につなげたい考えだ。

東海道の起点と終点、道中の宿場町の全55カ所分の御宿場印が出そろった。御宿場印は1枚300円

東京・品川の品川宿交流館では、1枚300円の御宿場印がコンスタントに売れていく。御宿場印帳は入荷が間に合わず、品切れになることも多いという。担当者は「御宿場印が京都までつながったことで各地の宿場町のつながりが強くなり、街道巡りの観光客にもアピールできれば」と声を弾ませた。

コロナ禍で大きな打撃を受けた観光業界はいまだ回復途上にある。いち早く企画に取り組んだ平塚信用金庫(神奈川県平塚市)の担当者は「御宿場印が京都までつながったことで、街道全体の価値が向上する。印を集めるために宿場町を訪れた人たちが町を巡り、飲食し、宿泊することで地域の活性化につながると思う」と手ごたえを語った。

最多の22種類の御宿場印を受け持つ、静岡県信用金庫協会の田形和幸会長は「インバウンド(訪日外国人観光客)の回復が見通せない中、日本人が国内各地を巡る旅が広がっている。東海道の宿場町は重要な観光資源であり、御宿場印が地域の魅力の再発見につながればいい」と波及効果に期待していた。

御宿場印、御宿場印帳とも各宿場町の観光案内所や観光拠点などで手に入る。

(田中万紀)

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