Search

何もかも忘れて眠ったヨルダン 宇賀なつみがつづる旅(43) - 朝日新聞デジタル

フリーアナウンサーの宇賀なつみさんは、じつは旅が大好き。見知らぬ街に身を置いて、移ろう心をありのままにつづる連載「わたしには旅をさせよ」をお届けします。今回はなんと、1時間のパッキングで向かったというヨルダンの旅です。

「大人の冒険 ヨルダン」

驚くほど自然だった。

大阪での仕事を終えて東京に戻り、
1時間でパッキングを済ませて、すぐに羽田に向かう。

国際線ターミナルは、これまでに見たことがないほど混み合っていた。
世界中から日本へやってきた人々が、
それぞれのお土産を抱えて、家に帰ろうとしている。

もはや旅に出ることは、日常の一部になったのだろう。
そんな中、私たちも旅に出る。

ビールを飲んだり、仕事をしたり、本を読んだり……
何度かうとうと眠った後、
イスタンブールで飛行機を乗り換え、
気がついたらヨルダンに降り立っていた。

乾いた風が吹いている。
日差しは強いけれど、気温はそこまで高くない。
ちょうど良い季節だったようだ。

何もかも忘れて眠ったヨルダン 宇賀なつみがつづる旅(43)

まずは首都アンマンの高台にある要塞(ようさい)の遺跡へ。
茶色、灰色、緑色。
淡い色で統一された街並みは、美しかった。

「どこから来たの?」
「ヨルダンへようこそ!」

誰もが気さくに声をかけてくれる。
観光客と接することに慣れているのだろう。
上機嫌で、笑顔の素敵な人が多い。

住宅街の中に、おしゃれなカフェを見つけた。
パソコンを広げたりスマホで作業している人たち。
どんな仕事をしているのだろうか。

高低差のある道をクネクネ進み、
迫力のある断層を横目で見ながら、マイン温泉へ向かった。

天然温泉が流れ落ちる滝。
医療観光を目的に訪れる人も多いというが、
テーマパークへ遊びにきたようだった。

はしゃいでいる子供たちは、
目が合うと寄ってきて、隣に座る。
異国に来ると、知らない人との距離が近くなるから楽しい。

日本の温泉とは、全く違う面白さがあった。

何もかも忘れて眠ったヨルダン 宇賀なつみがつづる旅(43)

翌日は、ペトラ遺跡へ移動した。
ペトラとは、ギリシャ語で岩を意味するらしい。
2000年以上前に切り立つ岩壁を削り、
こんなに大きな都市を築いたということに、驚いた。

大きな岩の裂け目をくぐって奥に進み、
宝物殿や劇場、墓などを眺めて戻ってくると、
あっという間に5時間経っていた。
これでもまだ、全体の1%ほどだという。

そのままホテルへ向かおうとすると、大きな看板が目に入る。
どうやら、夜にプロジェクションマッピングがあるらしい。
期間中にやって来たのは運命?
疲れた身体に気付かぬふりをして、もう一度戻ってこようと決めた。

夜の22時。
明かりがないので、スマホのライトを照らしながら進む。

何もかも忘れて眠ったヨルダン 宇賀なつみがつづる旅(43)

ようやくたどり着いた頃には息が上がっていたが、
30分間のショーは見応えのあるものだった。

ペトラの成り立ちから、先進的なグラフィックまで、
まさに、古代と現代のコラボレーション。
大人だけに許された冒険だった。

よく歩いた1日。
部屋に戻ってシャワーを浴びると、倒れるように眠ってしまった。
久しぶりに、何もかもを忘れて夢をみた。

翌日はいよいよ、砂漠でのキャンプだ。
ここから先は、また次回。

Adblock test (Why?)



from "旅" - Google ニュース https://ift.tt/Ce8yiRf
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "何もかも忘れて眠ったヨルダン 宇賀なつみがつづる旅(43) - 朝日新聞デジタル"

Post a Comment

Powered by Blogger.