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「旅の恥はかき捨て」では済まされず-観光地での迷惑行為が重罰化 - ブルームバーグ

最近みられた観光客のマナーの悪さについて、ほんの一例を挙げてみよう。

  北イタリアのとある別荘でドイツ人客のグループが150年前の彫像を倒した。デンマーク人女性がインドネシアのバリ島でバイクに乗りながら不適切な肌の露出。ポーランド人男性がメキシコのチチェン・イッツァ遺跡で登頂が禁止されている神殿に上り、複数の米国人がイエローストーン国立公園でクマにいたずらした。

  観光客はいつの世も評判が悪いものだが、各国政府は手に負えない旅行者に対してこれまで以上に強力に対処する姿勢を打ち出しつつある。これから訪れる観光客にも注意を促しながら、マナー違反を取り締まる種々の戦術を展開する。

  ここ数カ月、多くの国で高額な罰金または収監の刑罰を科す法律が成立した。バリ島では地元民が観光客の迷惑行為を報告するためのホットラインが新設され、インドネシアは今年既に2022年全体よりも多くの旅行者を強制退去させている。

Gateway to Adriatic Sea

観光客は旅をする上での適切な行動について学ぶ必要があるとドブロブニク当局

Photographer: Sasipa Muennuch/Moment RF

  クロアチアの歴史的都市「ドブロブニク旧市街はディスコではない」と声を上げるのはテプシッチ副市長で、実際そこでは住民が生活を営んでおり「夜にはゆっくり休みたいと思っている」と語る。

  旅行者は国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産に登録されているドブロブニクに滞在しているのだとの自覚を持つことが必要で、歴史的建造物の階段に座って飲食したり、自転車やスクーターで歩行者専用区域を走り抜けたり、水着で街を歩いたりといった一部の行為は不適切となる。「ここはビーチではない」とテプシッチ氏は指摘する。

  同市は6月、観光客に「やっていいことと、やってはいけないこと」を説明する動画を公開。「 リスペクト・ザ・シティー」と題されたその動画は、過密というイメージを一掃するために2018年に始まった大規模プロジェクトの一環として、クルーズ船や旅客機、空港で流されている。

  旅行客が石灰岩の道を引きずるスーツケースの音が「とてもうるさい」という問題もテプシッチ氏は指摘。その上で、「警官に呼び止められても驚かないでほしい。警官は、観光客による好ましくない行動を発見した場合、それを正す役割を担っている」と説明した。

4万4000円の罰金

  イタリアでは、ポルトフィーノの風光明媚(めいび)な湾を見下ろす道路に車を止めて渋滞を発生させた観光客には、最大279ユーロ(約4万4000円)の罰金が科せられる。4月に可決された町の条例では特に人気のエリアについては、10月までの夏の期間は午前6時から午後6時まで通行を妨げる行為が禁じられている。

  それでも旅行客はそうした人気観光地を散策し、好きなだけ自撮りを楽しむことはできる。「排他的にすることではなく、誰もがポルトフィーノの美しさを楽しめるようにすることが目的だ」とビアカバ市長は 地元メディアに語った。

  イタリアで4月に可決された法案によると、同国の歴史的建造物を汚損した場合、最大6万ユーロの罰金と場合によっては収監される可能性もある。これは、ローマの世界遺産コロッセオの壁に落書きした観光客や、環境活動家が関与した数々の事件を受けた動きだ。

Pantheon In Rome Vandalized

パンテオンの壁に「エイリアンは存在する」との落書き(ローマ、2022年7月)

Photographer: NurPhoto

  罰金と収監の脅しでは不十分と主張する政治家もいる。7月下旬、ローマにあるトレビの泉に入り込み、彫刻の一つによじ登り、歓声を上げる見物人の前で水の中に飛び込んだ人物がいた。その後、1人の市議会議員が トレビの泉の閉鎖を提案した。

  バリ島も観光客の迷惑行為により懲罰的なアプローチを取りつつある。8月6日の時点でバリ島は198人の観光客を強制退去させており、これは既に昨年1年間の合計を上回ると、当局者が CNNインドネシアに語った。

  新しいタスクフォースは、観光客による不適切な行動や、ビザが切れた不法滞在者の取り締まりに取り組んでいる。「手に負えない旅行者を監視し対抗措置を講じる上で、地域社会の協力は大いに必要」だとして、外国人観光客の迷惑行為を報告する専用のホットラインにも言及している。

しぼむ前途

  オランダのアムステルダムは市中心部から迷惑行動を一掃する取り組みを展開する。最近のキャンペーン 動画では、青と赤に点滅するライトをバックに街中でビール瓶が割れ、男性旅行者が逮捕されるイメージ映像が流され、さながらテレビの警察リアリティー番組のようだ。

  画面には「やんちゃな夜を求めてアムステルダムに来るというなら、やめておくべきだ。さもないと罰金、逮捕歴、そして前途がしぼむことになる」という警告メッセージが続く。このキャンペーンの結果は9月に出る予定だと、市の広報担当者はブルームバーグに語った。

原題: Top Vacation Spots Are Cracking Down on Bad Tourist Behavior(抜粋)

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