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インド文化と人々の熱量を肌で感じて。ヘアメイクアップアーティストHaruka Tazakiの世界一周・ひとり旅【No.5/インド・前篇】 - VOGUE JAPAN

そして今回私が一番訪れたかった目的地、トリヴァンドラムへ。
またまた7時間半のバス旅でフラフラ&空腹だった私達はとりあえずバス停の目の前のレストランに駆け込んだ。そこでまたインドあるあるのぼったくり事件が発生。
頼んでもいない料理が出てきたり、明らかに2倍以上のお会計を請求され、明細をオーナーに尋ねると「このカレーはスペシャルカレーだからメニューには載っていない」と、全くのでたらめな言い訳についに私の堪忍袋がプツリ。周りのインド人客までがビックリするほど鼻息を荒げて不当であることを主張した。これは金額の問題ではなく、モラルの問題だ。この悪事を容認してしまったら、この先も日本人観光客はカモにされてしまうだろう。そんな使命感を勝手に背負って、最後はメニューに載っている正規料金だけを払って店を出た。

17年ぶりに訪れた修道院は見違えたように綺麗になっていた。

17年前、偶然か必然かバスの中でシスターのSirnirと出逢い、68人の孤児達が住む修道院を訪れた。初めて見る日本人を目の前に子供達は興味津々の様子で、1個10円もしないお菓子をひとりひとりに手渡しであげると、まるでサンタクロースからクリスマスプレゼントを貰ったかのように満面の笑顔で瞳を輝かせていた。
当時の私はそれだけで胸が熱くなって、子供達が歌ってくれた歌を聴きながら声が出るほどぐちゃぐちゃに泣きじゃくってしまった。あの時「また必ず会いに来るからね」と約束してから17年、勢いだけでここに戻って来たけれど、肝心なSirniの連絡先も無くしてしまい、持っているのはやっと見つけた写真の片隅にぼやけて写った住所だけ。
タクシーがどんどんと殺風景な景色の山奥へと進んで行くに連れて、行き当たりばったりの旅にも慣れている私の心も、さすがにソワソワと不安な気持ちが高まっていく。

そしてやっと到着した修道院は、昔の面影もないほど綺麗で立派な施設に生まれ変わっていた。
Sirniを訪ねて日本から来た事を伝えると、残念ながら彼女はもうここにはいないとの返答。
落ち着いて考えれば当たり前だが、あの頃の子供達も大人へと成長し、外の世界へと巣立って行ったそうだ。さっきまで期待と不安ではち切れそうだった心の風船が、一瞬で萎んだ。
どうして私はもっと早く会いに来なかったのだろう?過去の自分に問いかけて悔やんでも、もう時間は取り戻せない。

授業中の生徒たちに挨拶。聡明な笑顔に癒される!

現在この修道院で生活をしている孤児の数は20人程度に減り、一般家庭の子供を含め450人の生徒達がここで教育を受けているそうだ。
インドでは8年生までが義務教育で、9-12年生までが中等・上級中等教育となっており、その後の試験で希望大学へ進学となる。ここケララ州はインド全国中でトップの識学率であり、また最高寿命率を誇っているそうだ。確かに他の地域と比べて治安が良いし、自然や特産物も豊かで、ローカルの人達もどこかゆったり生活をしているように見える。

手仕事による繊細な伝統工芸も多くあるインド。トリヴァンドラムでは可愛らしいビーズ刺繍の作業を見学。

そして驚いたのが、どこもかしこもノープラスチック!あれほど大量に流通していたビニール製のレジ袋やプラスチックストローは街中から消え去っていた。そう、インドでは2022年7月から使い捨てのプラスチック製品の製造、輸入、使用禁止となっている。さらに違反者には高額な罰金または5年以下の禁固刑が科せられる。そりゃあみんな規則を守るようになるよね・・・って何でも極端な所がインドらしいが、この国をあげての環境問題への取り組みは我が国も見習うべきところだ。

ローカル電車に乗り込み次なる目的地へ。

映画の中に入り込んでしまったかのような錯覚に陥るレトロな電車でカーニャクマリへ。

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