連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
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コロナ禍を経て旅のスタイルがより個別化の傾向にある中で、旅のサブスクが人気を博している。特に注目したいのが、2021年のサブスク大賞でグランプリを受賞したカブクスタイルの「HafH(ハフ)」だ。国内外の宿泊施設を毎月定額利用できる同サービスの利用者数は現在8万人(2023年11月時点)を超え、右肩上がりの成長を遂げている。その中でも新たな試みとして宿泊施設の予約だけでなく、国内線の航空券の手配が可能になり、トラベルフィンテックとしてのユーザー利便性の向上につなげようとしている。同社のビジネス・アライアンス・マネージャーの舘野 和子氏にインタビューを行い、サービス開発の裏側や同サービスの強み、今後の展望について、話を聞いた。
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する記事や連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。世界の航空の現場を取材し、内容をわかりやすく解説する。テレビ、ラジオの出演経験もあり、航空関係の講演を随時行っている。ブログ「Avian Wing」の他、エアラインなど取材対象の正式な許可を得たYouTube チャンネル「そらオヤジ組」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。
利用者数8万人越え、旅のサブスクHafHとは
同社は、HafHという宿泊施設のサブスクサービスを提供する。同サービスに登録すると、全世界で30カ国、500都市に展開する2000(国内外で約半数ずつ)もの宿泊施設を毎月定額で利用できるのだ。
会員プランは2種類で、ベーシックで2,980円、スタンダードで9,800円だ。コイン制を採用しており、獲得できるコイン数はそれぞれ80と300で、100コインが3,300円相当の価値である。
プラン変更も容易で、休会しても獲得するコインは失われない。一般的なサブスクのように定額を払い続けることなく、長く使うことができるのも特徴の1つだ。筆者は普段は休会しており、取材に出かける時に会員に戻ることにしている。海外でもスムーズな利用ができている。
行き先を完全には決めない旅のスタイルが主流に
2021年夏に同社はJALと提携を開始した。提携に至る前、同社は航空サブスクサービスの実証実験を行った。3万6,000円で3カ月のうちにJALの3つの目的地を往復し、各地で1泊できる破格値のプログラムだった。実証実験では、500名のHafH会員データより集計し、5つの知見を得られたという。
(1)20~30代の若年層が多く、会社員の参加が68%。
(2)ワーケーション目的が50%。
(3)行き先を完全には決めずに購入した参加者が80%。
(4)参加者の行き先が分散されたことを確認。
(5)予定していなかった地域に出かけた参加者が75%。
コロナ禍が落ち着いた現在では、(2)の回答は現在と差異があるかもしれないが、行き先を完全に決めないことや、予定していなかった地域にでかけることという(3)と(5)に関しては、これまでの旅行の概念を覆しているのではないか。旅の多様化が明確になった。 【次ページ】サービス開発の裏側と今後の展望を聞く
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