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藤原ヒロシが語る「欧州クルマ旅」の愉しみ - GQ JAPAN

車を降りて、イタリアン・アルプスの爽やかな空気に包まれる藤原ヒロシ。

──何年くらい前からそういった旅を?

藤原 始めたのは30年くらい前かな。その時は当然スマートフォンも無いから、新しい街に着いたら、まず、ガソリンスタンドで給油ついでに地図を買って。確かドイツから出発して、その後、ポーランド〜オーストリア〜ハンガリーというルートだったと思う。ドイツから先はまだEUに加盟していなくて、それぞれの国境で入国のために車で検問所に並びました。

──東ヨーロッパがお好きなようですね。

藤原 僕がヨーロッパに求めているのが、華やかさより憂いを帯びた薄暗い雰囲気だからかな。なので、クロアチアに寄る時もレイブパーティが盛んなアドリア海に面するドブロブニクとかではなく、ザグレブのような古い街を選びますね。

この旅で一行が乗っていたのはマセラティ。欧州には欧州車が似合う。

──「いつどこで何を見よう」といった、旅の予定は立てないんですか?

藤原 予定は立てません。日本に帰る日にちだけ決めて、それまではヨーロッパの中を思いつくままに旅をする感じです。

──目当ての場所やイベントがあるのではなく、車での移動自体が「目的」なのですね。

藤原 そうですね。なんとなくスロバキアに向かって、着いた晩にチェックインしたホテルで、次の行き先を考える。「そういえばプラハにいる友達は元気かな?」と思えば、翌日はプラハに移動。そんなふうに思いつくままに移動できるのが車での旅の醍醐味だと僕は思っているので。

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