県内の旅館やホテル業界で、客室にプライベート用のサウナや温泉露天風呂を設置するリニューアルが相次いでいる。新型コロナウイルス禍で旅行のスタイルが団体や遠距離を避け、個人や近場志向に変化。他人との接触をできるだけ少なくして部屋での滞在を楽しむ「おこもり旅」の人気が高まっているためだ。 (伊東浩一)
彦根市松原町の旅館「味覚の宿 双葉荘」は、琵琶湖を望む二階の角部屋を改修し、県内初となるサウナ付きの客室「比良」を一月末から稼働させた。
ベランダにある二人用のサウナは、熱した石にアロマ液をかけて水蒸気を発生させ、体感温度を上げる「ロウリュウ」も楽しめる。アロマ液は伊吹山の薬草の抽出液を使っている。
さらに、ベランダのサウナ横には、水風呂とデッキチェアもある至れり尽くせりぶり。誰にも気兼ねせずにサウナ、水風呂、外気浴を繰り返せる。
コロナ禍になってから、密を避けられる露天風呂付き客室の人気が高まっていたことから、サウナ付きの客室も設置することにした。比良の宿泊代は一泊二食で一人四万円(二人利用の場合)から。割引はしていないが、二、三月の稼働率は好調だった。
双葉荘の片岡良介さんは「この二年間、混雑を避けて温浴施設に行ってなかった人らが、『プライベートサウナなら楽しめる』と利用してくれている。リピーターもいる」と手応えを語る。「日常からちょっと離れた時間を楽しんでもらいたい」と話す。
大津市の雄琴温泉にある旅館「暖灯館きくのや」は昨年八月、リニューアルにより、大浴場に行かなくても自室で温泉が楽しめる半露天風呂付きの客室五部屋を設置した。うち二部屋は最上階五階から琵琶湖の景色を眺めながら入浴できる。残り三部屋はペット同伴で泊まれるのが売りだ。
宿泊代は一泊二食で一人三万五千〜四万円と安くないが、人気は高いという。同旅館は夕食が部屋食、朝食もコロナの感染拡大期は部屋(通常時は食事会場の個室)で食べることができる。池見喜博社長は「食事も風呂も部屋で完結できるのが一番大きい。コロナ禍の消費者の需要に合っている」と高稼働の理由を分析する。
コロナ禍で海外や遠距離旅行に行けない分、お金をかけて近場でゆっくりと過ごす人が増えているといい、「価格より品質重視になっている。(それに対応した)もてなしやサービスが必要になる」と池見社長は話す。
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