23日の西九州新幹線開業で、稚内駅(北海道)から同じ駅などを使わずに、一筆書きで最も長いルートになる「最長片道きっぷの旅」の終点駅が、佐賀県の江北(旧肥前山口)駅から長崎県の新大村駅に変わった。長崎県大村市などで構成する協議会(会長=園田裕史市長)は24日、一番乗りで23日に到着した東京都の伊藤桃さんに「達成認定書」を交付した。1か月弱の旅路で「最高の日々だった」と喜んだ。
大村市によると、公式な認定制度はないものの、新大村駅に変わり、鉄道ファンの間でも話題になっているという。同市は新たな魅力として発信しようと、新大村駅を訪れた人に認定書を交付することを決めた。
伊藤さんは青森県出身で、SNSなどで鉄道の魅力を発信している「鉄旅タレント」。インスタグラムのフォロワー数は2万人を超える。8月下旬に稚内駅を出発し、東北、関東、関西や中国地方などを巡り、最後は西九州新幹線に乗って9月23日午後8時過ぎ、新大村駅に到着したという。途中、台風14号の影響で、広島県内で数日間足止めされるアクシデントなどを乗り越えての達成となる。
それでも、車窓から見る各地の雄大な景色や人々に出会えたことは「最高の日々」だったという。大村湾の夕日にも感動し、旅路の最後に乗った西九州新幹線は「ふかふかのイスで、ゆったりと身を任せられた。デザインもおしゃれで旅を楽しくさせてくれた」と振り返る。
「最長片道きっぷの旅」の魅力について、伊藤さんは「一筆書きをなぞるような旅で、みんなが見てきた景色を自分も見ているところに楽しさがある。人、駅、食……。色々な日本を知ることができた」と語った。
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