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【だから元気!】角野卓造はきょうも歩く 晩酌&京都旅のため10年継続 息子と二人三脚 - スポニチアネックス Sponichi Annex

京都市内をウォーキングする角野卓造
Photo By スポニチ

 著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。1972年に初舞台を踏んだ角野卓造さん(74)は50年以上、役者一筋の人生を送っています。体を最優先に俳優業にまい進中で、日課となっているのがウオーキング。大好きな晩酌と京都旅を楽しむためにも健康管理は怠りません。 (構成・吉澤 塁)

 自宅から徒歩7分ほどの所に住んでいる息子を起こしに行くことから一日が始まります。家を出るのはだいたい午前5時30分。着いたらインターホンを押して、息子が出てくるまでの間にストレッチをして待つ。出てきたらもう一度、一緒に準備運動をします。そこから約40分、お決まりの善福寺川沿いのコースを歩きますね。
 雨の日は休みますが、かれこれ10年くらいは続けている。長く続けられるポイントは息子を誘うこと。人が待っていると思うとサボれなくなる。2人で歩く時は世間話をしています。お互いに大好きな車の話をすることが多いかな。絶対にしないのが政治の話だね(笑い)。

 歩き終わったら息子は仕事に行くが、僕にはまだ残っているルーティンがある。晩酌用の缶チューハイをコンビニで買って、家に着いたら腹筋トレーニング機で筋トレ。その後は30分ほど読書。1冊を集中的に読むのではなく、3冊ぐらいをチャプターごとに小刻みで読み分けます。

 運動と読書が終わったら体重、体温、血圧を測ってメモ帳に書く。これだけは20年以上一日も欠かしていません。ずっと記していると自分の健康状態が一目瞭然で分かる。大好きな京都に行くと食べ過ぎちゃって、帰ってきた時には必ず2キロは増えているんですよね(笑い)

 2017年いっぱいで舞台に出ることはやめました。舞台中にクラッとして意識が飛んでしまうことがあったんです。ものの5分で治って舞台も続けたんですが、この状態だと共演者、何よりもお客さまに迷惑をかけてしまう。医師の診断では虚血性脳貧血。だからすっぱりと舞台はやめました。

 時々「またやりたくなったりしないですか?」と言われますが、それはない。自分で言うのもなんですが、50年近く役者をやってきて、いろいろとやりきりました。心残りはないんです。今は自分がやりたいと思える映像の仕事をしたり、昨年からは文学座の代表にもなって劇団の将来も考えています。

 実はプライベートでは料理を始めたいと思っているんです。レコード収集やオーディオも趣味で、音楽を流しながら料理を提供できるような店をいつかやれれば…。なんて思うこともあるんです。やっぱりどこまでいっても人に楽しんでもらうのが大好きなんですね。これは俳優業に通じる部分もあるのでしょう。

 当然、自分の“残り時間”というのも考えます。でも今は月に1回は1週間ほど京都に行って、現地の友達と会ってワイワイと飲んで食べる。大人になってからできる友人は貴重ですね。そんな自分の時間を大切にしながら、自分のペースで仕事を続けられれば、これ以上の喜びはありません。

 ◇角野 卓造(かどの・たくぞう)1948年(昭23)8月10日生まれ、東京都出身の74歳。70年に文学座付属演劇研究所に入所し、72年に初舞台。80年にNHK大河ドラマ「獅子の時代」で渋沢栄一役を演じる。そのほか、TBS「渡る世間は鬼ばかり」などに出演。08年に紫綬褒章を受章。妻は女優の倉野章子(75)。趣味はプラモデル、鉄道模型など。血液型O。

 ≪京都を“紹介” 書籍「続・予約…」販売中≫昨年8月に書籍「続・予約一名、角野卓造でございます。【京都編】」(京阪神エルマガジン社)を出版した。現在、月刊誌「Meets Regional」で酒場を巡る連載をしており、今回は大好きな京都の店をメインにまとめた。

 連載の取材もあるため、月に1度は京都を訪れ、現地でもウオーキングのルーティンも欠かさないという。「京都で歩く時は、いつも泊まるホテルから鴨川を渡って南禅寺まで歩いてお参りをします」と、こちらもお決まりのルートがある様子。「ただ、交遊関係も多くて夜は忙しいのでパスしてしまうことも多いですね」とはにかんだ。

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