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旅の力を伝えたい コロナ禍で踏ん張る「富士国際旅行社」<挑む> - 東京新聞

 コロナ禍で売り上げがほぼゼロに陥った旅行会社、富士国際旅行社(横浜市)が再出発をしている。希望退職を募り一時は廃業さえも検討したが、顧客らの支援で立ち直りへのきっかけを得た。社長の太田正一さん(53)は支援者に感謝するとともに「旅の力を伝えたい」と強く思っている。

コロナ禍での厳しい経験を話す富士国際旅行社の太田正一社長=横浜市中区で

コロナ禍での厳しい経験を話す富士国際旅行社の太田正一社長=横浜市中区で

 深夜に突然目が覚め、そのまま眠れなくなる―。太田さんが思い出すのは「売り上げ95%減が2年間続いた」という地獄の日々だ。コロナの感染が一時的に収まり予約が入り始めても、ぶり返してキャンセルが相次ぐ繰り返しだった。

 雇用だけは国の補助金を使って維持していたが、先が全く見通せず一昨年末には希望退職を募らざるを得なかった。希望者全員の再就職にはこぎつけたが「何よりもつらい経験」だった。自身を含めた従業員は16人から6人へと減った。

 「会社を閉めた方がいいのか」。折れそうな気持ちを押しとどめたのが、長年の顧客や世界各地のガイドら、同社のツアーを支え続けた人々だった。カンパが集まり、東京・新宿の本社は規模を3分の1に縮小させ横浜へと移転。5、6月にはツアーで北海道を訪れ、旅の良さを再確認した。「生きているから現地の人とまた楽しく話ができ、きれいな景色が見られる」

 秋には一時出向させている従業員も戻して業務を本格化させる考えだ。そんな中で構想を練るのが、不登校の子どもたちのツアーだという。「広い世界を見ればいろんな価値観を知り、命の大切さを感じられる。旅にはそんな力がある。僕も死ぬほどのつらい経験をしたからこそ、そう確信しています」(渥美龍太)

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