コロナ禍でなかなか出かけられない日が続き、そろそろゆっくり旅ができたら…。そう思っている人も多いのではないだろうか。きままで自由なひとり旅。できれば騒がしい集団から離れた、しずかな旅で身体と心を癒したい。京都でそれが実現できるという。
「京都のカリスマ案内人」と呼ばれ、生粋の京都人である柏井 壽先生に、「しずかな京都」に出会える癒やしの大人旅について教えてもらおう!柏井先生、よろしくお願いいたします。
人をやさしく包み込んでくれる京都
――柏井先生、はじめまして!鴨川食堂シリーズの大ファンで、5月には小学館文庫から9作目となる「鴨川食堂しあわせ」も発刊されましたね!よろしくお願いします。
柏井先生 この度、地元の人しか知らない名所、行事や文化、美食の店を紹介した「おひとりからの しずかな京都」をSBクリエイティブから発刊しました。あまり知られていない癒しの京都・大人旅です。
最初におことわりしておきたいのですが、この本では「今話題の」とか、「今人気の」や、「予約困難」、「行列必至」という枕詞がつくような、SNSで自慢するようなスポットとは無縁のものばかりです。
その代わりに、化粧を落とした素顔の、とでも言えばいいでしょうか。よそ行きではなく、普段着の京都はこんな感じですよ、というような旅の提案をしています。
「おひとりからのひみつの京都」(SBクリエイティブ刊)と併せて読んでいただけたら、よりいっそう京都の味わいが深くなると自負しております。
私は京都で生まれ、京都で歯科医院を開業していますが、そもそも京都というところは、イケズという言葉が象徴するような排他的な街ではなく、旅人をあたたかく受け入れ、やさしく包み込んでくれる街なのです。
しかし、春や秋のトップシーズンに京都へお越しになると、充分なおもてなしができないこともあるかと思います。観光客が集中する場面は避けるのが賢明です。
しずかな京都は「ずらす」こと
――先生は京都の魅力のひとつに「しずけさ」をあげていらっしゃいます。コロナ禍を体験して生と死を目の当たりにした今、心を癒すしずかな京都を堪能したいと思います。どうしたらしずかな京都と出会えますか?
柏井先生 最大のコツは「ずらす」ことです。先にも言いましたが季節を「ずらす」と「しずかな」京都を愉しむことができます。「ずらす」と「外す」は違います。完全に外してしまうと、季節の美しさに出会えずがっかりします。春の桜で言えば、満開ではなく咲きはじめか。もしくは散り初めを狙うと、かなり「しずかな」京都に出会えると思います。
期間が長い紅葉ともなれば、もっと選択肢が広がります。十月の終わりから十一月の初旬、もしくは十二月の初旬から中旬なら「しずかな」紅葉をお愉しみいただけるでしょう。
あるいは時間をずらすのもいいですね。ひとが少ない早朝は特にお奨めです。桜も紅葉も鮮やかでしずかですよ。
場所をずらすのも一法です。いわゆる名所を避けて、ひっそりと佇む小さなお寺を訪ねれば「しずかな」四季を愉しめます。街はずれを歩けばかならずそういう場所に出会えるのが京都という街なのです。
この夏、しずかな京都を楽しもう
――なるほど、工夫次第でしずかな旅は実現しそうですね!これから夏の京都旅を計画しています。先生が紹介してくれた穴場の散策もよさそうですが、特に今年の夏は暑いので、ちょっとベタですが鴨川や貴船川の床店に行ってみたいと思います。ひとりでも大丈夫でしょうか?予約をしておいた方が良いでしょうか?楽しみ方のアドバイスがあればぜひ教えてください。
柏井先生 床店は夏でしか味わえない、京都の楽しみのひとつです。鴨川のほうは「ゆか」と読み、貴船は「とこ」と読みます。鴨川は川を見下ろしながら食事を楽しみますが、貴船の方は貴船川の流れの上で食事を楽しめます。
鴨川は街なかですから、いくら川辺とは言え陽が沈むまでは暑さも厳しいものです。川風が心地よく感じられる、夜更けがお奨めです。
逆に貴船は洛北ですから真夏でも日によっては寒く感じられるでしょう。ひざ掛けや羽織るものを用意されたほうがいいと思います。
鴨川のほうはいろんなジャンルのお店があり、ひとりでも気軽に愉しめますが、貴船はほとんどのお店が日本料理のコースになりますから、ひとりでは行き辛いかもしれません。かならず予約をして、席や料金のことなどをたしかめておきましょう。
ひとりで「しずかな」京都を愉しむための最大のコツは、詰めすぎないことです。あれもこれと欲張らず、日程の半分ほどは空けておきましょう。足の向くまま気の向くまま、京都を歩く時間を作っておくと、思わぬ発見があったりして旅の成果があがります。
そのためにも、並ばないとたどり着けない店やスポットは避けましょう。
どうしても行きたいお店などがあれば別ですが、そうでなければ京都に着いてから、そのときに食べたいものを決めて、前日か当日に予約されることをお奨めします。インバウンド全盛時代とは違い、今は比較的お店にも余裕がありますから、ひと月もふた月も前から予約して、予定を縛られるのは避けたほうがいいと思います。
予約が取れなければ、ふらりと入れるお店を見つけましょう。きっとそのほうが地元客率も高く、京都らしさを「しずかに」味わえるはずです。
――夏休みが楽しみです!ご教示いただき、ありがとうございました。
今こそ、旅人が少ない古都を贅沢に、ひとり占めしよう。旅のお供には大好きな「鴨川シリーズ」を用意して、私だけの「こいしちゃんと流さん」のいる素敵なお店を見つけてみたい。
著者 柏井 壽
1952年京都府生まれ。大阪歯科大学卒業後、京都で歯科医院を開業するかたわら、京都の魅力を伝えるエッセイや各地の旅行記、京都を舞台とした小説を執筆。テレビ・雑誌で京都特集の監修を務めるなど、「京都のカリスマ案内人」とも称されている。小説にテレビ化もされた「鴨川食堂」シリーズほか、「京都下鴨なぞとき写真帖」シリーズ、『祇園白川 小堀商店 レシピ買います』『海近旅館』など。エッセイに『おひとり京都の愉しみ』『極みのローカルグルメ旅』『極みの京都』『京都の路地裏』ほかベストセラー多数。
文/柿川鮎子
編集/inox.
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構成/DIME編集部
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